
お疲れ様です!白熊監督です!
今回は「ワンマン測量が劇的に楽になる」と評判の杭ナビ(トプコン LNシリーズ)の導入を検討する際、
中古市場やレンタルで見かける旧型「LN-100」と、現行機種「LN-150」のどちらを選ぶべきか
悩んでいる方向けに記事を書きました。
「見た目は似ているし、安いLN-100で十分では?」
「LN-150は何がそんなに進化したの?」
そんな疑問を解消するため、両機種の決定的な違いを徹底比較しました。
結論から言うと、「法面(のりめん)工事」や「マシンガイダンス」を視野に入れるなら、
迷わずLN-150です。その理由を詳しく解説します。
目次
【比較表】LN-150とLN-100の基本スペック
まずは、最も重要な違いをサクッと確認しましょう。
| 項目 | 旧型 LN-100 | 新型 LN-150 | 進化ポイント |
| 作業範囲(上下) | ±25度 | +55度 / -30度 | ここが最大の違い! |
| 作業範囲(距離) | 半径100m | 半径100m | 変化なし |
| 自動整準 | あり | あり | どちらもボタン一つ |
| マシンガイダンス | △(不向き) | ◎(対応) | 建機連携なら150 |
| 価格相場 | 中古・レンタル安 | 新品・レンタル標準 | - |
決定的な違いは「使える角度(傾斜)」にあり
「LN-150」最大の進化、それは上方向への計測範囲です。
LN-100の弱点:急な勾配が見えない
旧型LN-100の仰角(上方向)は25度まででした。
これは、比較的平坦な宅地造成や、高低差の少ない現場では問題ありません。
しかし、急な法面の上部や、本体よりもかなり高い位置にプリズムを持っていくと、
「追尾切れ」を起こしてしまうことがありました。
LN-150の強み:見上げるような法面もOK
対して新型LN-150は、上方向に55度まで対応しています。
これにより、以下のようなシーンでストレスなく作業が可能になりました。
- 高い法面の丁張り設置
- 急傾斜地での現況測量
- 本体設置位置より高い擁壁の天端計測
「機械を据え直す回数」が激減するため、高低差のある現場が多い業者様にとっては、
LN-150一択と言えるでしょう。
「杭ナビショベル」への対応有無
もう一つの大きな違いは、ショベルカーなどの建設機械と連携するマシンガイダンス(ICT建機化)への適性です。
なぜLN-150が推奨されるのか?
「杭ナビショベル」等のシステムで建機の刃先位置を管理する場合、ショベルのアームやブームにプリズムを設置します。
作業中、アームを高く上げたり、本体の近くで深く掘ったりすると、プリズムの位置は杭ナビ本体から見てかなり「高い角度」になります。
- LN-100の場合: アームを高く上げると追尾範囲(25度)を超えてしまい、ガイダンスが止まることが多い。
- LN-150の場合: 55度までカバーするため、ショベルがダイナミックに動いても追尾し続けることができます。
「将来的に、手持ちの重機をICT化したい」という野望が少しでもあるなら、
LN-150を選んでおくのが正解です。
実は「LN-100」でも十分な現場とは?
ここまで新型を推してきましたが、旧型LN-100が全く使えないわけではありません。
中古市場で安く手に入るLN-100は、以下の条件であれば「コスパ最強」の相棒になります。
- 平坦地がメイン
- 住宅の基礎工事、駐車場整備、平坦な道路工事など、高低差が少ない現場。
- マシンガイダンスはやらない
- あくまで「ワンマンでの位置出し・杭打ち」専用機として割り切る。
- 予算を極限まで抑えたい
- まずは「ワンマン測量」の便利さを体験してみたいエントリーユーザー。
「うちは造成はやらない、基礎屋だ!」という職人さんであれば、
状態の良いLN-100の中古は非常に狙い目です。
価格と購入の後押し:迷っているあなたへ
新品(LN-150)か、中古(LN-100)か
LN-150(新品): 最新の追尾性能と広い仰角。長く使うなら資産価値も高い。補助金(IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金など)の対象になるケースも多い。
LN-100(中古): 価格は魅力的だが、バッテリーの劣化や精度のメンテナンス状況に注意が必要。メーカー修理期間の確認も必須。
結論:どちらを買うべき?
もしあなたが、「現場の地形を選ばず、どんな場所でもバリバリ使い倒したい」と思っているなら、迷わずLN-150をおすすめします。法面で「追尾が切れた!」とイライラする時間的ロスを考えれば、価格差の元はすぐに取れるはずです。
一方で、「平らな現場専用で、とにかく安くワンマン化したい」なら、LN-100も立派な戦力です。
杭ナビは、導入したその日から「手元作業員が一人不要になる」レベルの革命的なツールです。
どちらのモデルであっても、「もっと早く買えばよかった」と思うこと間違いありません。
現場の未来のために、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
【価格シミュレーション】購入・リース・レンタル、どれが得?
「LN-150が優秀なのはわかったけれど、やはり金額がネック…」
そう悩む方のために、現行モデル(LN-150)を導入する場合の概算費用をシミュレーションしました。
※価格は販売店やセット内容(コントローラー、ソフトウェア、三脚、360度プリズム等を含むフルセット)により変動します。あくまで目安としてご覧ください。
2025年度の価格なので、詳細が知りたい方はメーカー等に問い合わせをお願いいたいします。
意外とYahoo!でも売っているので検索してみても面白いです!
↓リンク
1. 「一括購入」の場合
長く使うなら、総支払額が最も抑えられるのは現金一括です。
| 機種 | 状態 | フルセット相場目安 | 備考 |
| LN-150 | 新品 | 約 250万 〜 300万円 | 補助金活用で実質半額になるケースも |
| LN-100 | 中古 | 約 80万 〜 130万円 | バッテリー劣化や修理保証に注意 |
ポイント: 新品のLN-150は、「IT導入補助金」や「ものづくり補助金」などの対象ツールとして
認定されていることが多いです。
補助金を使えば、中古のLN-100と変わらない金額で新品が手に入る可能性があります。
2. 「リース契約(5年)」の場合
初期費用を抑えたい方におすすめです。月々の経費として処理できるメリットがあります。
- LN-150 フルセット(新品)
- 月額リース料目安: 約 45,000円 〜 55,000円 (5年リース)
💡 ここで計算してみてください
測量屋さんの人工を「1日 30,000円」と仮定します。
杭ナビを導入してワンマン測量が可能になれば、手元作業員が不要になります。
つまり、「月に3日」杭ナビを使うだけで、月額リース料の元が取れてしまい、4日目からはプラス収益になります。
3. 「レンタル」の場合
特定の現場期間だけ使いたい、あるいは購入前のお試しに。
- LN-150 レンタル
- 月額目安: 約 100,000円 〜 150,000円
- 日額目安: 約 4,000円 〜 6,000円
短期間(数ヶ月以内)の現場であればレンタルが手軽ですが、半年以上使う予定があるなら、
リースを組んで自分の資産にしてしまった方が結果的に安くなるケースが多いです。
まとめ・結論:この価格差をどう見るか?
「月々5万円で、優秀な助手が一人雇える」
杭ナビ(LN-150)の導入コストをどう捉えるかは、この一言に尽きます。
中古のLN-100で初期費用を抑えるのも賢い選択ですが、「法面で使えない」「マシンガイダンスに対応できない」という機能制限により、現場で作業が止まってしまっては元も子もありません。
- 平坦地メインでとにかく安く → 中古 LN-100
- 現場を選ばず、将来のICT活用も見据える → 新品 LN-150(リース推奨)
ご自身の現場状況と照らし合わせて、最適な一台を選んでみてください!







