今さら聞けない?設計図と施工図の違いについて解説

お疲れ様です!白熊監督です。

今回は今さら聞けない?ということで設計図と施工図の違いについて解説していきます。

工事現場で働く方にとっては常識的に設計図と施工図の違いは知っておかなければなりません。

もし設計図で施工をしていた場合に取り返しのつかないことが起きてしまう恐れもあります。

そういったことを防ぐためにおさらい程度に押さえておきたい点を解説していきます。

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設計図と施工図の違いを極める:プロが押さえる要点

建築プロジェクトの成功は、設計図と施工図の精度と連携にかかっています。

この記事では、両者の役割や特徴を深掘りし、スムーズな工程管理のヒントをお届けします。

設計図とは何か

設計図は、建物の「かたち」と「機能」を定義する青写真です。

建築士や設計事務所が主体となり、

以下の観点で作成します。

  • 意匠(外観・内観のデザイン)
  • 構造(軸組や耐力壁の配置)
  • 設備(電気・給排水・空調ルートの概念)

許認可申請やクライアントへのプレゼン資料として活用し、建物全体のビジョンを共有する役割を担います。

施工図とは何か

施工図は、現場で「どのように作るか」を具体的に示す図面です。

施工会社や現場技術者が中心となり、

次の内容を詳細化します。

  • 躯体図
  • 平面詳細図
  • 各部材の製作図(鉄骨図・サッシ図など)
  • 設備・電気機械図(総合図)

現場作業を円滑化し、安全性・品質・コスト管理を担保する実務資料となります。

設計図と施工図の比較

比較ポイント      設計図施工図
主な目的建築意図と法規制の承認取得現場施工の指示、工程管理
詳細度概念設計~実施設計レベル(大枠重視)部材レベル~作業手順レベル(細部重視)
作成担当者建築士/設計事務所施工会社技術者/施工管理者
利用時期基本設計~実施設計フェーズ着工直前~竣工検査
主な課題意匠・構造・コストバランスの調整現場の不確定要素対応、リードタイム最適化

図面連携のポイント

  • 設計変更時はクロスチェック体制を構築
  • 施工図レビューに設計担当者を巻き込み一体で検討
  • 電子データ管理(クラウド共有・バージョン管理)の徹底

これにより、無駄な手戻りや資材ロスを抑制できます。

変更や質疑がある場合は設計者に

設計図は建物の意匠や構造、安全性能など設計者の意図を概念的に示す図面で、全体像や基本仕様を把握するためのものです。

一方、施工図は設計図を現場の施工手順や納まり、

部材取合いまで具体的かつ詳細に落とし込んだ図面で、技術者や施工会社が迷わず作業できるレベルに精緻化されます。

施工図を作成する際に監理者に質疑を行う主な意図は?

  • 設計図の曖昧な表現や現場条件との不整合を早期に解消
  • 各部材での干渉が起きている場合(構造部材同士や意匠的な干渉)
  • 配管経路の扱い(天井内や壁内部の配管について)
  • 法規適合性

設計段階では見えにくい細部を監理者と協議・承認を得ることで、

現場での手戻りやトラブルを防止します。

これにより施工品質の向上と工期短縮、コスト抑制につながります。

デジタル時代のBIM活用

BIM(Building Information Modeling)を導入すると、設計図と施工図の情報をひとつの3Dモデルで統合できます。

3Dモデル上では施工図モデルを主とし、設計者との協議の内容をモデルに反映していきます。

そうすることで3Dモデルから切り出した2Dの平面図や断面図に反映することができます。

  • 設計変更を施工図モデルに反映することで自動的に施工図更新
  • 重複チェックや干渉チェックによる品質向上(モデル化できるものは追加していく)
  • 工事コストや工程シミュレーションの精度アップ

CAD図面だけでは難しい“情報の一元管理”が可能になり、

関係者間のコミュニケーションが劇的に改善します。

よくある失敗と回避策

施工図では最新版の管理や、変更時の連絡不足など問題が起きがちです。

よくある失敗と回避策の例を載せています。

  1. 図面の版管理が曖昧
    • 回避策:全データをクラウドで一元管理し、アクセス権限を明確化
  2. レビュー担当者が不足
    • 回避策:レビュー会議に設計・施工の両サイドを必須参加に設定
  3. 現場での“あるある”手戻り
    • 回避策:現場調査を事前に徹底し、想定外リスクを図面に記載

まとめ

設計図は建築ビジョンを形にする設計者の“羅針盤”、施工図は現場を動かす“作戦指示書”です。

両者を適切に連携させることで、工期短縮・コスト削減・品質向上を同時に実現できます。

特にBIMの導入は、次世代の生産性を引き上げる鍵となるでしょう。

今後は、実際のプロジェクトでの導入事例や、BIMツール比較なども深掘りしていきます。

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