お疲れ様です。白熊監督です。
今回は工事現場の道標的な位置になる「工程表」の重要性を記事にしています!
工程表の読み解き方は、新人現場監督が最初にぶつかる壁でありながら、
現場の成否を分ける最も重要なスキルの一つですね。
現場監督になって最初に渡される「工程表」。皆さんはこれをどう見ていますか?
「○日にコンクリートを打つ」「×日に足場を解体する」といった日付を確認するだけで終わっていないでしょうか。
もしそうなら、あなたは現場に「振り回されている」かもしれません。
一流の現場監督は、工程表の行間を読み、リスクを先回りして潰します。
今回は、現場を円滑に回すために欠かせない「工程表を読み解く重要ポイント」を解説します。
目次
ポイント① 工程表の種類を把握する
工程表には「バーチャート工程表」「ネットワーク工程表」「フローチャート工程表」があり、
主に工事現場では「バーチャート工程表」と「ネットワーク工程表」を採用します。
どちらを採用するかは、現場の規模や管理の目的によって決まります。
それぞれの特徴とメリット・デメリットを整理しました。
バーチャート工程表
バーチャートは各工種を主軸とし、工種ごとの管理になるので職人さんとしてもわかりやすさはあります。
ただ他工種との繋がりが見えにくいので、優先順位や工程の影響が見えづらいです。
ネットワーク工程表
ネットワーク工程表は工区やフロアを主軸として各工種を繋げて工程表を作成します。
作業の前後関係が厳密に定義されるため、施工手順の矛盾を防げます。
現場の流れを把握する必要があり、作成する場合には細かな確認が必要になってきます。
・工程表の比較まとめ
| 比較項目 | バーチャート | ネットワーク |
| 視認性(いつ) | ◎ 非常にわかりやすい | △ わかりにくい |
| 論理面(なぜ) | × 関連性が不明 | ◎ 非常に明確 |
| 作成の難易度 | 低(初心者でもOK) | 高(専門知識が必要) |
| 活用シーン | 小規模現場、協力会社への周知 | 大規模・複雑な現場、工期検討 |
工程表の種類の使い分けは現場の状況によって変えていきましょう!
ポイント② 施工開始日(締切)の把握

工程表を読む際、最も基本的なのは「施工開始日」の把握です。
これは「施工開始日」だけでなく、次の施工までの「締切日」にもなっています。
なので、その工種の施工だけを見るのではなく、次の工程を把握することにも繋がります。
部分的な締切が全体の質を決める
大きなプロジェクトには、必ず「この日までに終わらせないと後続の全工程が止まる」という
「クリティカルパス」が存在します。
納期が掛かるものや重量物の搬入はしっかりと計画を行い、搬入日については数ヶ月前から計画を
しなければなりません。なので簡単に変更ができないので、こういったところはクリティカルパスに
なっていきます。
クリティカルパスの例として
・鉄骨の搬入日
・大型重機の搬入・搬出日
・道路使用許可の期限
これらの一時的な締切を「動かせない点」として意識しておきましょう。
逆算する考え方
締切から逆算して「ここまでには何が必要か」を判断できる能力こそが、現場監督の基本スキルです。
作業を行う際にも必要な条件が整っていないと作業はできません。
なので、施工開始日までに「この作業を終わらせなければならない」「この材料を用意しないといけない」
などを把握しておいて共有をしましょう。
自分だけで完結すると「あれ?そうだったの?」と他の人はわかっていません。
もちろん、クリティカルパスを把握することは重要ですが、前後の工種のつながりを把握することも
かなり重要になってきます。前の作業が1日遅れると次の作業の工程が1日後ろに延びてしまいます。
それが積み重なるとクリティカルパスにも影響してしまう可能性があるので、各作業での工程をしっかりと
守らせることをしましょう。
工程を把握せずズルズルと作業を行うと「その作業が1日遅れると、全体の竣工日が1日遅れる」という、
余裕時間ゼロの作業のつながりかねません。
クリティカルパスが見えていない監督は、重要でない作業の遅れに右往左往し、
本当に守るべき作業を見落としてしまいます。
ポイント③ 工程の「優劣」と「依存関係」を整理する

工程の中でも「クリティカルパスに影響するもの」「単独で完結するもの」
「クリティカルパスには影響はないが工程に流れがあるもの」があり、
その工程で調整が必要になった場合に優劣をつけて、工程を調整していきます。
優劣としては
1.「クリティカルパスに影響するもの」、2.「クリティカルパスには影響はないが工程に流れがあるもの」
3.「単独で完結するもの」という順位で優劣をつけてみましょう。
それぞれの工程の中で節目としてマイルストーンを設定し、その中でのつながりを整理しましょう。
そうすることで「締め切り」を職人さんとの共通認識として把握できます。
なぜマイルストーンが必要か?
数ヶ月、数年に及ぶ工事では、ゴールが遠すぎて職人さんのモチベーションや緊張感を維持するのが困難です。
「コンクリート打設」「基礎完了」「鉄骨建方開始」「上棟」「内装工事開始」「足場解体」といった
大きな節目をマイルストーンとして設定し、共有することで、現場にリズムが生まれます。
マイルストーンを意識できるようになると、「今は攻める時期(人員を投入して加速する)」
「今は守る時期(精度を重視してじっくり進める)」という現場の強弱が見えてくるようになります。
すべての作業が同じ重要度なわけではありません。工程表を読み解く上で欠かせないのが、
作業の優先順位(優劣)の把握です。
ポイント④ 職人との「下打ち合わせ」を工程表に反映する

工程表は紙の上の計画に過ぎません。それを現実に動かすのは職人さんたちの手です。
ここで最も重要なのが「下打ち合わせ」です。
職長さんや番頭さんと会話し、この施工範囲であれば何日で終えられるなどの言質を取っておきましょう。
勝手に決めるのではなく納得してもらって工程表に反映しましょう。
ここは早めてほしいなどと打ち合わせを行うことで、職長さんも人を多く集めておくなど対策ができます。
現場の解像度を上げる対話
工程表を見て作業開始日などは材料搬入などが絡んできます。そのタイミングでクレーンの使用などを
計画しますが、搬入だけ必要な場合は残りの時間は他の工種で活用できるかなどを話し合いましょう。
「この日は大型車両が入るから、このスペースは空けておいてほしい」
「この工程、今の進捗だと2日早められそうかな?」
こうした泥臭いコミュニケーションこそが、工程表に血を通わせます。
事前の下打ち合わせを徹底することで、現場での「聞いていない」「作業が重なってできない」という
無駄な手戻りを防ぐことができます。
3Dデータ打ち合わせに活用する

3Dデータを活用することで、イメージの共有を容易にして意見の交換をスムーズに行うことができます。
近年3Dデータを作成し、切り出して図面を作成することが多くなっており、3Dデータは工事現場で必須の
ものとなってきております。
どんなに立派な3Dモデルを作っても、監督のパソコンの中にだけ閉じ込めていては意味がありません。
最も大切なのは、そのシミュレーション結果を「職人さんと共有するフェーズ」を設けることです。
ポイント⑤ 安全面を考慮する

施工範囲の「重複」を物理的にシミュレーションする
工程表の上では別々の行に書かれている作業も、現場という同じ空間で行われます。
工程表を読み解く際は、「同じエリアに複数の業者が入り乱れていないか」を立体的にイメージする
必要があります。
- 作業スペースの競合: A社が床を塗っている横で、B社が足場を組むことはできません。
- 資材搬入路の確保: 特定の業者が通路を占有してしまい、他社の資材が入らなくなるリスクはないか。
工程表の「日付」だけを見るのではなく、図面と照らし合わせて「場所」のダブりを見つける。
これができて初めて、スムーズな現場運営が可能になります。
「上下作業」の有無を特定し、安全の空白を作らない
現場で最も恐ろしいリスクの一つが「上下作業」です。
エリアの上下を考慮し、同じ場所の「高い所」と「低い所」で同時に作業が組まれていないかを
確認してください。
- 墜落・落下の防止: 上階でデッキプレートを敷いている下に、配管工を立ち入らせてはいけません。
- 物理的な遮断: どうしても同時進行が必要な場合は、防網や防護棚の設置など、工程表の段階で対策を組み込む必要があります。
「工程表に書いてあるからやる」のではなく、「この組み合わせは危険だ」と気づいて調整をかける。
これこそが、現場監督にしかできない「安全のプロ」としての職務です。
また施工エリアは自分が思っている範囲と職人さんが思っている範囲が認識が違う場合が多いにあります。
施工エリアの端と端で被ってしまい、そこで上下作業による災害が発生する場合もあったりします。
まとめ

工程表は「書く」以上に「読む」力が問われる
現場監督の仕事は、工程表通りに物事を進めることではありません。
「工程表を羅列された数字としてではなく、立体的な動きとして捉え、変化に対応すること」です。
最初は先輩が書いているものを見ることが多いですが、その読み方やどこが重要かを把握しておくことで
自身の担当工種の工程や事前準備が必要なものを整理できます。
・施工の開始日
・次の工程の開始日、必要な材料
・工程の優先順位
・安全に配慮できているか
この4つを意識して工程表を読み込むようになれば、あなたの指示出しは劇的に変わり、
現場の空気も引き締まるはずです。
工程表を読むことで自分がやらないといけないことも把握できるようになり、自身のスケジュール管理も
行うことができます。
現場監督はやることが多くありますので、日々のスケジュール管理を容易にしていく方法を考えていきましょう。






